アースドリル工法(場所打ちコンクリート工法)
工法概要
本工法は表層部にケーシングパイプを建て込み、ケリーバーと呼ばれる伸縮が自在な回転軸の先端に取付けたドリリングバケットを回転することにより地盤を掘削、バケットが一杯になるとケリーバーを縮めてバケットの引き上げを行うものである。
他の場所打ち杭工法と同様、支持層に達したことを確認した後、スライム除去、鉄筋かご建込みを行い、トレミー管でコンクリートの打設を行う。
工法特徴 長所及び欠点
(1)地下水のない粘性土で素掘りが出来る地盤では良い杭が出来る。
(2)他の場所打ち杭に比べ施工速度が速く、工費が安い。
(3)アースドリル方式の拡底杭工法があり、同一のベースマシンで拡底杭の施工ができる。
(4)剛性が大きく地震時の軟弱地盤変位に力で抵抗しようとする。無騒音・無振動で周辺環境への影響がない。
(5)安定液の管理が重要である。
(6)既製杭のような工場製品ではなく、地中で杭を造成するのであとに不安を残す。
(7)異常な被圧地下水や伏流水については厳重な注意を要する。
(8)大量の泥廃水が生ずるので特別な対策を要する。
(9)バケット底部の土砂採取溝より大きな砂礫・転石があると、掘削が困難となる。
(10) スライム処理が困難である。
施工順序
(1)表層部の掘削
(2)ケーシングパイプ(スタンドパイプ、CP、SP)挿入
表層部の孔壁を保護する為に、杭径以上の大きさの鉄パイプを挿入し、安定液としてベントナイト溶液を用いる。
表層の地盤状態によりケーシングパイプの長さを検討しておく。
(3)軸部掘削
(4)支持層の確認
予め採取されている土質サンプルと掘削土を比較し、支持層に達したかを確認する。
検尺テープ(錘のついた巻尺)によって、設計図通りの深さに達したかを確認する。
(5)一時スライム処理
杭底部にスライムが沈殿するため、底ざらいバケットを使用してそれを除去する。
(6)鉄筋かごの挿入
4~7m程度の鉄筋かごを10番線などの鈍し鉄線にて接続しながら挿入していく。
(7)トレミー管の挿入
コンクリートを杭底部から打設する為に、2~6mの鉄管を接続しながら挿入する。
(8)二次スライム処理
トレミー管の頭部にポンプを接続し、杭底部のスライムを除去する。
(9)コンクリート打設
(10)検尺テープによって打設高さを確認し、トレミー管を引き抜いていく。
この時、ベントナイト液とコンクリートが混ざらないようにする為、トレミー管底部は常にコンクリートの中に埋まっている状態にする。