コピタ(COPITA)型プレボーリング工法
土木用プレボーリング杭工法
【施工説明】
本工法は、杭径+100mmの径の掘削攪拌装置を用い、施工地盤内に適宜掘削液(一般に水)を注入しながら所定深度まで全長同径で掘削を行い、掘削攪拌された掘削孔を造成し、所定深度(支持層付近)において、根固め液(水セメント比W/C=60%程度のセメントミルクで掘削径×3D(Dは杭径)の体積の100%以上量)を注入して掘削底部に根固め部を造成、掘削攪拌装置を引き上げながら杭周固定液(W/C=100%程度のセメントミルクで杭周固定部掘削体積の40%以上量)を注入・攪拌して、地盤内にソイルセメント柱を造成します。
その後、既製コンクリート杭(杭頭及び先端部に適宜金具を取り付けた先端開放杭)を掘削孔内に自沈又は回転圧入により建込み及び沈設を行い、定着させる工法です。
【特徴】
[先端拡大球根を築造しないストレート掘削]
(1)掘削径及び根固め部径=杭径+100mm
(2)支持層から杭先端までは1.0D程度以上の根入れを確保
[杭周固定部の未固結試料採取]
(1)圧縮強度のσ28を1.5N/mm2以上と規定
(2)試験孔にて未固結試料採取を行い、σ3またはσ7からσ28を推定可能
[現場溶接継手部の管理強化]
(1)各層毎のチェックと写真記録による管理
(2)有資格者による浸透探傷試験頻度を全溶接箇所の20%へ増加
[施工管理の徹底]
(1)施工管理装置の使用または写真・ビデオによる管理項目の記録
(2)既製抗施工管理技士有資格者かつ土木用プレボーリング杭施工技術講習会受講修了者が施工管理者として専任
(3)施工会社のコピタ(COPITA)への登録
地盤種類 | 杭先端の極限支持力度(kN/㎡) |
---|---|
砂層 | 150N (≦7,500) |
砂礫層 | 200N (≦10,000) |
根固め部築造図
【杭周固定部の未固結試料採取】
コピタ(COPITA)型プレボーリング杭工法では、あらかじめ試験孔で造成した杭周固定部からソイルセメントの未固結試料を採取し、強度試験を実施してから本施工を行う必要があります。
試験孔の施工では、GL-5mの位置で、また本杭の施工では杭頭上方付近で未固結試料の採取を行います。
(1)杭心セット
杭心位置の精度を確保するために、杭心位置より逃げ心を直交2方向に打ち込み、掘削攪拌装置の位置を確認するため定尺棒を用いて掘削ビットの中心を杭心に合せる。
(2)掘削作業
掘削攪拌装置の鉛直度を調整しながら、掘削液(一般に水)を掘削ビットの先端から適宜吐出して地盤の掘削抵抗を減少させるとともに孔内を泥土化し、孔壁の崩壊を防止しつつ、地盤に応じた速度で掘削し掘削孔を造形する。
(3)根固め液の注入
所定掘削深度まで掘削した後、掘削液から根固め液に切替え、掘削孔先端より注入し根固め部上端までゆっくり引き上げる。
その後、根固め部区間で1~3回の上下反復を行う。
(4)杭周固定液の注入
根固め液の注入工程完了後、杭周固定液に切替えて注入し、杭周固定区間を1回以上、上下反復しながら掘削撹攪拌装置を引き上げ、ソイルセメント柱を造成する。
(5)杭の建込み及び沈設
杭頭部及び先端部に適宜金具を取り付けた杭を、鉛直性を保ちながら掘削孔の中心部に建込み、沈設する。
(6)杭の定着及び保持
杭の建込み完了後、回転キャップを杭頭部にセットして自沈又は回転圧入しながら杭を定着させる。所定の位置に杭を定着後、杭が安定の深さより深く自沈することのないように、一定の時間、杭を所定の位置に保持する。
【標準施工順序】
※掘削攪拌装置の組み合わせ例は、COPITA型プレボーリング杭工法の施工ガイドライン(土木)(平成24年3月)参照